良くある症状
1、腰痛
腰痛は、脊柱管狭窄症の初期症状としてよく見られます。腰痛の程度は、軽い鈍痛から激しい痛みまで様々です。特に、腰を反らせたり、長時間立っていたりすると、痛みが増強することがあります。また、腰痛だけでなく、お尻や太もも、足にかけて痛みやしびれが広がることもあります。脊柱管狭窄症による腰痛は、一般的な腰痛と区別がつきにくい場合がありますが、間欠性跛行や足のしびれなどの他の症状を伴う場合は、脊柱管狭窄症の可能性を考慮する必要があります。
2、間欠性跛行
間欠跛行は、脊柱管狭窄症の最も特徴的な症状の一つです。歩行や立位時に、足やお尻に痛みやしびれが現れ、歩行を続けることが困難になります。しかし、前かがみになったり、腰掛けたりして休憩すると、症状が軽減し、再び歩けるようになるのが特徴です。これは、前かがみになることで脊柱管が広がり、神経への圧迫が緩和されるためと考えられています。間欠跛行の程度は個人差が大きく、数十メートル歩いただけで症状が現れる人もいれば、数百メートル歩ける人もいます。また、症状が現れるまでの距離や、休憩時間も人によって異なります。間欠跛行は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。
3、下肢のシビレ・痛み
脊柱管狭窄症では、狭くなった脊柱管によって神経が圧迫されるため、足やお尻に様々な神経症状が現れます。代表的な症状は、しびれや痛みです。しびれの範囲は、足の指先から足全体、お尻や太ももまで広がることもあります。痛みは、鋭い痛みや鈍い痛み、電気が走るような痛みなど、様々な表現で表されます。これらの症状は、歩行時や立位時に悪化し、安静にすると軽減することが多いです。また、夜間に症状が強くなることもあります。
4、下肢の筋力低下
脊柱管狭窄症が進行すると、神経の圧迫が強くなり、足の筋力が低下することがあります。筋力低下の程度は、軽度のものから、歩行困難や排尿・排便障害をきたす重度のものまで様々です。筋力低下は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、転倒や骨折のリスクを高める可能性もあります。特に、高齢者の場合は、筋力低下による影響が大きいため、早期の診断と適切な治療が重要です。
5、排尿・排便障害
脊柱管狭窄症が重症化すると、膀胱や直腸の機能をコントロールする神経が圧迫され、排尿・排便障害が現れることがあります。排尿障害としては、尿が出にくい、尿意を感じにくい、尿漏れなどが挙げられます。排便障害としては、便が出にくい、便意を感じにくい、便漏れなどが挙げられます。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、精神的な苦痛も伴います。排尿・排便障害は、脊柱管狭窄症の重症度を示す重要な指標の一つであり、早期の診断と適切な治療が必要です。