良くある症状
1、肩の痛み
最も一般的な症状は、肩関節の痛みです。痛みは、肩の前側、横側、後ろ側のいずれか、または広範囲に現れることがあります。初期段階では、肩を動かした時や特定の動作をした時に痛みを感じることが多いですが、進行すると安静時や夜間にも痛みを感じるようになります。痛みは、鋭い痛み、鈍い痛み、ズキズキする痛みなど、人によって表現が異なります。また、痛みの程度も個人差が大きく、日常生活に支障をきたすほどの激しい痛みを感じる人もいれば、軽い痛みを感じる程度の人もいます。特に、夜間の痛みは睡眠を妨げるほど強い場合があり、日常生活の質を著しく低下させる可能性があります。
2、肩の動きの制限
炎症によって肩関節の周囲の組織が硬くなり、肩の動きが制限されます。特に、腕を上げる、後ろに回す、外側に開くといった動作が困難になります。例えば、服を着替える、髪を洗う、高い所の物を取るなどの日常的な動作が困難になることがあります。可動域制限は、痛みの程度と比例することが多く、痛みが強いほど可動域も狭くなる傾向があります。また、可動域制限は、日常生活だけでなく、スポーツや仕事など、様々な活動に影響を与える可能性があります。
3、夜間痛
夜間に肩の痛みが増強する夜間痛を経験します。夜間痛は、寝返りを打つ時や、特定の寝姿勢をとった時に特に強く感じることがあります。痛みで目が覚めてしまうこともあり、睡眠不足につながることも少なくありません。夜間痛の原因は、明確には解明されていませんが、炎症によって肩関節周囲の組織が過敏になっていることや、日中の活動によって炎症が悪化していることなどが考えられています。夜間痛は、患者さんの睡眠の質を低下させ、疲労感やストレスを増大させるため、適切な対処が必要です。
4、肩周りの圧痛
肩関節の特定の部位を押すと痛みを感じる圧痛が見られることがあります。圧痛の部位は、炎症の程度や進行度によって異なりますが、一般的には、肩の前側や外側、肩峰下滑液包などが圧痛点としてよく見られます。圧痛は、診断する際の重要な所見の一つであり、痛みの程度や範囲を把握するために用いられます。また、圧痛の有無や程度は、治療の効果を判定する際にも役立ちます。
5、肩周りの筋肉の萎縮
慢性化すると、肩関節周囲の筋肉が萎縮することがあります。これは、痛みや可動域制限によって肩を動かす機会が減り、筋肉が使われなくなるためです。特に、棘上筋や棘下筋などの肩甲骨周囲の筋肉が萎縮しやすく、肩の安定性や運動機能が低下します。筋肉の萎縮は、肩の見た目にも影響を与えることがあり、肩が痩せて見えることがあります。筋肉の萎縮を防ぐためには、適切な治療が重要です。